Draco in meam第27話「出会いと別れ」

リフテンを経って数日後。
リバーウッドの宿屋「リーピング・ジャイアント」にて。







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「デルフィン…!本当に君が生きていたとは。」
エズバーンは古い戦友の顔を見て頬を緩ませた。


「あなたこそ、あの大戦から生き延びているとは思いもしなかったわ。」


「あの大戦の後、リフテンにある下水道でずっと身を隠していたんだ。サルモールに見つかるつい最近までね。」







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「君が彼らを送ってくれなかったらきっと私は死んでいただろう。改めて礼を言わせてくれ」








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「私達はブレイズの最後の生き残りなのよ、エズバーン。お互い助け合わなくちゃ。」
デルフィンはそう言うとリリィに顔を向けた。


「エズバーンを救ってくれてありがとう。さぁ、詳しい話は”例の部屋”で話しましょう。」


「例の部屋とは?」
エズバーンがデルフィンに聞いた。


「この宿屋には隠し部屋があるの。あなたがリフテンで身を隠していたように、私も宿屋の主人として色々と苦労をしたのよ。」
デルフィンはそう言うとリリィ達を隠し部屋へと案内した。















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「さて、早速だが本題に入ろうか。」
エズバーンはそう言うと懐から1冊の本を取り出した。


「それは?」
取り出された本を眺めながらリリィは聞いた。


「これはアカヴィリの古い遺跡の一つ、”スカイ・ヘブン聖堂”に関する書物だ。」








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「アカヴィリがスカイリム征服の際にリーチに建造したと書かれている。」


「でも、彼らはどうしてその遺跡を建てたのかしら?」
デルフィンはエズバーンの取り出した本に目を通しながら呟いた。


「アカヴィリ達は集めたドラゴンの伝説を石に刻む為に”アルドゥインの壁”をそこに築いたらしい。」








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「アルドゥインの壁だって?」
突然アレックが声を上げた。


「どうした?何か知っているのか?」








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「…分からない。でも、どこかで耳にしたことがあるんだ。」
アレックは困惑した表情を浮かべた。


「アルドゥインの壁を実際に見たものは居らず、その存在を知る者もごく僅かだ。きっと他の何かと勘違いしたんだろう。」
エズバーンはなだめる様に言った。







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「つまり、そのアルドゥインの壁を見つければ、アルドゥインを倒す手がかりが見つかるってこと?」
リリィはエズバーンに聞いた。


「そうだ。アルドゥインは太古のノルド達によって一度退けられている。アカヴィリ達がその伝説をアルドゥインの壁に刻んだのだとしたら、きっとその”方法”も記されているはずだ。」








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「わかったわ。それじゃ、スカイ・ヘブン聖堂に向かいましょう。」


「あぁ、だが一つ問題があるんだ。」


「それは何?エズバーン。」


「この書物にはスカイ・ヘブン聖堂の詳しい場所が記されていないんだ。」
エズバーンはそう言うと、本をぱらぱらとめくりあるページを開いた。


「ここには大まかな地図と”リーチ地方”とだけ書かれている。だが、それ以外の場所は記されていない。」


「ねぇ、ちょっと見せてくれない?」
部屋の隅で話を聞いていたイヴはそう言うと、エズバーンから本を受け取り、大まかな地図が書かれたページに目を通した。







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「んーっと、多分カーススパイアのことね。」


「場所がわかるのか?」
エズバーンが驚いた顔をしてイヴに聞いた。


「私、生まれはリーチなの。」
彼女はそう言って笑みを浮かべた。







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「彼女は一体何者?」
デルフィンはイヴに疑いの目を向けていた。


「彼女はここに居るドラゴンボーンの仲間で、私の命の恩人だ。」
エズバーンは庇うように言った。








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「あなたを信用していいのね?」
デルフィンはイヴから目を離さずに言った。








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「えぇ、大丈夫。それに、私もリフテンで派手に暴れちゃったから、きっとサルモールに指名手配されているだろうし。このままあなた達の旅に同行するわ。」
















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「それじゃ、出発の前に少しだけ時間をもらえるかしら?」
旅の支度を終えた後、デルフィンはエズバーンに声をかけた。


「何か大事な用事でもあるのか?」


「ええ。きっとこれが最後になるだろうから。」
彼女はそう言うと、隠れ部屋を後にした。







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「オーグナー。話があるの。」


「なんだい?デルフィン。」








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「約束の日がきたの。私はもう行かなくてはならないわ。」


「なんだって…?」
オーグナーは困惑した表情で言った。






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「つまり、あんたは”以前のデルフィン”に戻るってことか?」


「そうよ。あなたには随分と世話になったわね。」


「あんたが居ないと寂しくなるな。」


「私もよ、オーグナー。この宿屋はあなたにあげるわ。好きに使って頂戴ね。」








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「さよなら、オーグナー。」
デルフィンはそう言うと、振り返らずに宿屋を出て行った。








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「あんたも気をつけてな、デルフィン…。」
オーグナーは走り去る彼女に背中をただただ見つめていた。











続く。

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