Draco in meam第26話「もう一人のブレイズ」

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扉の先は開けた場所になっていた。
リリィ達の目の前には段差があり、下の階層からは吹き抜けとなっているようだった。
天井からは日が差し込み、空中に漂う埃がキラキラと反射していた。


「2人共、ちょっと待って!」
先へ進もうとするリリィ達をイヴが制止した。


「どうしたの?」
リリィの問いかけにイヴは前方を指差した。







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彼女の指差した先には黒いマントを身に着けた一人のハイエルフが居た。
彼は周囲を注意深く観察しながら、誰かを探しているようだった。


「サルモールか…。」
アレックが眉をひそめて言った。


「サルモールってデルフィンが情報を盗んできたって言うあの…?」
リリィは思い出したように呟いた。








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「何者だッ!?」


突然、大きな声が辺りに響き渡った。
下の階層を巡回していたサルモールの兵士がリリィ達に気づいたのである。


「クソ!お前たち、アイツらを生かして帰すな!!」
サルモールのマントを身に着けたエルフは、そう叫ぶと魔法の詠唱を開始しながらこちらに歩み寄ってきた。







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「やるしかないわね…!」
イヴは流れるような動作で矢を番え、ハイエルフの男に向けて矢を放った。








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「ぐぁッ!!」
イヴの矢は彼の左わき腹に吸い込まれるように突き刺さった。


彼は痛みに顔を歪めながらも魔法の詠唱を続け、リリィ達の方へと歩み寄ってきた。








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「それなら!」
リリィはサルモールの男に蒼炎の魔法を放射した。
彼女の手から発せられた高熱の蒼い炎が、男の身体を跡形も無く焼き尽くしていった。


「リリィ、まだ新手が来るぞ!」
アレックはそう言うと盾を構えながらリリィの前に立ちふさがった。








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すると、魔法の武器を手にしたサルモールの兵士がアレックに斬りかかってきた。
彼はその攻撃を盾で受け止め、手にした剣で横一線になぎ払う。


サルモールの兵士はその攻撃を避けようと、後ろに大きく仰け反った。








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(今よ…!)
狩猟を生業としているイヴは、そんな一瞬の隙を見逃さなかった。







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彼女の放った矢は正確に心臓を貫いた。
サルモールの兵士はなす術も無くそのまま下へと落ちていった。


















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「どうしてこんな場所にサルモールが…。」
床に倒れている兵士の亡骸を見下ろしながらリリィは呟いた。


「きっとデルフィンが情報を盗んだことがバレたんだ。それで、俺たちより先にエズバーンを捕らえに来たんだろう。」
アレックはそう言うと、兵士の鎧の隙間から顔を覗かせている書類を取り上げた。


「これは…エズバーンの居場所のようだ。彼はラットウェイ・ウォーレンズの奥にある”鉄の扉”の中に居るらしい。」








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「もうサルモールは居ないみたいね。」
見回りから帰ってきたイヴは少し疲れた顔をして言った。


「あーあ、これで私達もお尋ね者ね。」
イヴは倒れているサルモールの兵士を横目に見ながらため息をついた。








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「ごめんね、イヴ。私たちに着いてきたばっかりに…。」


「いいわよ、気にしていないわ。それに、逃げることには慣れてるのよ。」
イヴはそう言うとリリィに向かって笑いかけた。


「それじゃ、サルモールに先を越されないうちにエズバーンに会いに行こうか。」
アレックはエズバーンの居場所が書かれた紙をカバンにしまうと、奥にある扉へと進んで行った。


















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「ここが鉄の扉か。」
リリィ達は幾重にも鍵のかけられた鉄製の扉の前で立ち止まった。


「それにしても、凄い鍵の数ね…。」
イヴは眉に皺を寄せながら呟いた。







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「出て行け!貴様らに捕まる私ではない!!」
突然、扉の向こうから大きな声が響いた。


「あんたがエズバーンか?」
アレックは扉の向こうに居る声の主に向かって問いかけた。








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「エズバーン…!そ、そんな人間は知らん!!出て行けといったら出て行け!!」
声の主は狼狽したように言い放った。








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「私達はデルフィンにあなたを探すよう頼まれて来たの!」
リリィが声の主に聞こえるように大きな声で言った。


「デルフィン…?まさか、そんな。彼女は死んだはずだ。」
声の主は”デルフィン”という名前を聞いて困惑したようだった。


リリィ達に聞こえないくらい小さな声で、何かブツブツと呟いている。


「デルフィンは死んでない。大切な話があるんだエズバーン。この扉を開けてくれ。」
アレックは諭すように言った。


「…分かった。少し待っていてくれ。」
声の主はそう言うと、扉にかかっている鍵を外しだした。


全ての鍵が外されると、ギギィっと鈍い音を立てて扉が開かれた。








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「無礼な態度を取ってしまった。許して欲しい。」
リリィ達を招き入れると、中に居た老人は謝罪の言葉を述べた。


「あんたがエズバーンだな?」
アレックは老人に問いかけた。


「あぁ、そうだ。私がエズバーン。ブレイズの生き残りだ。」


「ブレイズってあのブレイズ?」
イヴが驚いたように聞き返した。


「そうだ、あの戦争の後、私はここでずっと生き延びていた。サルモールに見つかれば命は無いからな。」
エズバーンはそう言って周囲を見回した。


「ところで、私に一体何の用があるのだ?」







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「デルフィンがあんたの助けを求めている。あんたのドラゴンに対する知識をな。」


「どういうことだ?…まさか、奴が…アルドゥインが蘇ったのか!?」


「そうだ。あのドラゴンを殺す為にあんたに協力欲しい。」


「殺す?なにを寝ぼけたことを言っている!奴は”不死身”だ。アルドゥインには死という概念すら存在していないだろう。」


「ならどうすればいい?」
アレックはエズバーンに向かって言った。


「アルドゥインを滅ぼせるのはドラゴンボーンだけだ。だが、ドラゴンボーンはここ数百年現れてはおらん。竜の血脈もセプティムの血と共に途絶えてしまった…。」
エズバーンはうなだれながら言った。








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「私がそのドラゴンボーンだよ。」
リリィはエズバーンに向かって言った。


「馬鹿な。彼女が本当にドラゴンボーンなのか?」
エズバーンはそう言ってアレックの方へ顔を向けた。


「あぁ。リリィはドラゴンを殺す力を持っている。あんたの仲間のデルフィンも彼女がドラゴンの魂を吸収するところを見ている。」


「なんということだ…。でも、それならまだ救いはあるのかもしれん…!」








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「ねぇ、どうやらサルモールの増援がやってきたみたいよ!」
扉の外を警戒していたイヴが声を上げた。


「いかん。一先ずここなら逃げるとしよう。少し待ってくれんか?」
エズバーンはそう言って必要な書類をカバンに詰めだした。


「早くした方がいいわ。もう近くまで来てる!」
イヴは扉を閉めるとエズバーンを急かすように言った。








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「ここに抜け道があるんだ。水路を抜ければリフテンの外に出られる。」
エズバーンはそう言うと、木製の机を引きずるように動かした。


すると、机のあった場所に人が通れるくらいの穴が開いていた。


「さぁ、私の後に着いて来てくれ。」


リリィ達はエズバーンの後を追って穴の中へと入っていった。

















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「どうやら、無事に逃げられたようだな。」
アレックは後ろに見えるリフテンに目を向けながら呟いた。


「これでもうリフテンには戻れないわね。」
イヴはそう言って残念そうに肩を落とした。








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「さぁ、リバーウッドへ急ごう。」


リリィ達はエズバーンを連れてリバーウッドへの道を歩いていった。






次回に続く。



Comment 4

Mon
2015.11.16
18:45

yoituki #-

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更新お疲れ様です!

リリィちゃん、随分、雰囲気変わりましたねぇ@@優しい感じになったかな?
良いですね (*⌒o⌒*)

自作フォロワーさん達も、魅力的で、こっそりとうちのスカイリムにお招きさせて頂いております。
私の動画の方に、ラマエさんしか出演して頂けないのが残念><(もうラストまでストーリ決まってしまっているので、これ以上、登場人物増やせないOrz)

お話&自作フォロワー、これからも楽しみにさせて頂きます (^O^)♭♪

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Mon
2015.11.16
20:05

ミースケ #-

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>>yoitukiさん
いつもコメントありがとうございます。

リリィは自分の好みに合わせていくつかのテクスチャmodをミックスして使っているので、以前よりも顔が滑らかになっています。

ブログを更新していない間も、色々とキャラクターの顔を弄っているのでなかなか時間が足りないです(汗

それと、フォロワーをDLしてくださっているだけでも私はとても嬉しいです。
yoitukiさんのRPのお供として可愛がってあげて下さい!

ブログの更新もまったりですが頑張っていきます(*´∀`*)

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Mon
2016.01.04
12:49

Nadia #-

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あけましておめでとうございます(≧∇≦)

初めてコメントさせていただきます。Nadiaでございますm(_ _)m
Draco in meam面白くて読破させてもらいました(≧∇≦)
Nadiaもスカイリムの物語を書いているのでタムリエルの歴史とかウンチクなんかをマチマチに調べたりして反映させています。だから色々と矛盾点などを感じながら読んでいくと逆に引き込まれますね!こういう物語の構成もあるんだと思うと次回が楽しみです(>人<;)
現在家のドヴァの過去をどうしようかと考えているので参考になります。次回の更新をお待ちしております!
リンクフリーということなので、後ほどリンクさせて頂きます(≧∇≦)

Edit | Reply | 
Tue
2016.01.05
10:42

ミースケ #-

URL

>>Nadiaさん
コメントありがとうございます。

そう言っていただけると励みになります。
私のブログでも、後ほどNadiaさんのブログのリンクを貼らせて頂きますね!

Edit | Reply | 

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