Draco in meam第25話「ネズミの道を行け」

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彼女は軽快な足取りで階段を降りていった。
階段の先にはリフテンの地下へと通じる扉があった。



「ちょっとー、なにしてるの二人共!」
彼女は不満そうに頬を膨らませて言った。



「ねぇ、あの人に着いて行っても大丈夫かな?」
リリィは小声でアレックに呟いた。



「まだ分からない。ただ、今はあいつに着いて行くしか無さそうだな。」
アレックは肩を竦めながら、彼女の元へと向かっていった。


















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「私はイヴリーン。イヴって呼んでね。」
リリィ達の目の前に現れた彼女は、明るい声でそう言った。


「あなたがリリィで、そっちはアレックね。」
イヴリーンは二人の顔を交互に見比べながら言った。


「どうして私たちの名前を?」


「あなた達をしばらく観察していたの。困ってるみたいだし、助けてあげられると思って。」








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「ねぇ、イヴ。私達を助けてくれるってどういう意味?」
リリィは半信半疑でイヴリーンに問いかけた。


「あなた達の探している人が隠れていそうな場所を知っているってこと。」
イヴリーンはそう言うと、足早に歩き出した。








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「おい、どこへ行く気だ?」
アレックは通り過ぎるイヴリーンに言った。


「エズバーンって人を探しにいくんでしょ?さ、早く着いてきて!」
彼女はそう言いながら、市場の反対側にある階段を降りて行った。



















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地下へと通じる扉の先は、薄暗い通路に繋がっていた。
壁はぬらぬらと湿っており、なんとも言いがたい悪臭が漂っていた。


「ここがラットウェイ。リフテンの地下にある地下通路よ。」


「ラットウェイ(ネズミの道?)」
リリィは首をかしげた。


「ここはならず者の吹き溜まりなの。盗賊ギルドの本部もあるし、姿を隠すには絶好の場所よ。」
イヴはそう言うと背中に背負っていた弓を手に取った。








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アレックも何かを察したように剣を鞘から引き抜いた。


「奥に誰か居るな。」
アレックは声を潜めて言った。


「えぇ、多分ここに住み着いてるならず者ね。きっと戦闘になるわよ。」
イヴの顔からは笑みが消えていた。
彼女の視線は前方に居る敵に向かって注がれている。


「俺が先行しよう。二人は後ろから援護してくれ。」
アレックはそう言うと、前方に向かって走っていった。








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「なんだ!?」
ならず者の一人が異変を察知して角から飛び出してきた。



アレックは近くに居る男に向かって剣を振り下ろした。
男はその一撃を盾で受け止め、反撃の機会を伺っていた。








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2,3回の剣戟の後、アレックは男の体勢を崩すことに成功した。


「アレック、気をつけて!」
突然、リリィが声をあげた。








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右の死角から、もう一人の男が飛び出してきたのだ。


「うぉおおおお!!」
雄たけびをあげながら、男はアレックに向かってきた。



その時。









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風を切る音が聞こえた。








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それが後方から放たれたイヴリーンの弓矢だと気づいたのは、男が地面に倒れてからだった。


彼女の矢は正確に急所を捉えていた。








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「すまない。助かったよ。」
アレックは死体に刺さった矢を回収している彼女に向かって礼を言った。







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「怪我が無ければそれでいいわ。この先も敵が居るだろうし、用心していきましょう。」
イヴリーンはそう言うと、通路の先へと歩いていった。


「リリィ、俺達も行こう。」
アレック達も周囲を警戒しながら彼女の後を着いていった。

















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しばらく進むと開けた空間に出た。
真ん中に貯水池があり、上から注ぎ込む光が水面にキラキラと反射していた。


「ここはなんだ?」
アレックはイヴに向かって言った。


「ラグド・フラゴンよ。」
そう言って前方にある看板を指差した。







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「ここは盗賊ギルドの本拠地なの。あそこにあるのが彼らの酒場ってわけ。」
イヴはそう言うと、酒場の方へと歩き出した。








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酒場に近づくと何名かの人影が目に付いた。
それぞれが鋭い目つきで、リリィ達のことを観察していた。


やがて、一人の男がこちらに近づいてきた。







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「やぁ、イヴリーン。今日も何か持って来てくれたのか?」
男は親しげにイヴリーンに話しかけた。








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「ごめんね、デルビン。今日はまだ狩りに行ってないの。」


「それで?お友達を連れて一体何をしに来たんだ?」
デルビンはリリィ達に目をやりながら言った。


「エズバーンって人を探しているの。何か知らないかしら?」


「エズバーンねぇ…。保障は出来ないが、居るとしたらラットウェイ・ウォーレンズだろうな。」


「それはどこにあるの?」
リリィはデルビンに向かって言った。







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「後ろにある扉の先だ。あそこは頭のおかしい奴しか居ないからな。せいぜい気をつけて行けよ。」


「ありがとう、デルビン!」
イヴリーンはそう言うと、扉に向かって歩いていった。







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「あの男の話を信じてもいいのか?」
アレックが怪訝な顔をして言った。








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「大丈夫よ。彼はまだ信用できるから。」
イヴリーンは軽い調子で答えると、ラットウェイ・ウォーレンズへと通じる扉に手をかけた。









次回に続く。

Comment 4

Thu
2015.07.30
17:15

yoituki #-

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No title

更新お疲れ様です!待ってました (^ ▽ ^)/

イヴリーンさん、盗賊ギルド顔パスなのか・・・@@
これは興味深い・・・

しかし、ラグド・フラゴンみたいな所だと、リリィちゃんが背景に溶け込んでしまいますねぇ^^;
まぁ、他のお二人が明るめな肌色だから、そちらに目がいってしまうせいかもしれませんが・・・

あ、話しは変わりますが、私の動画にラマエさんに出演して頂こうかと・・・と、言うか、既にちょっと出て頂いているのですけども・・・
何か問題ありましたら、お知らせ下さい。

次回も楽しみにしています (=^ Д ^=)

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Thu
2015.07.30
19:21

ミースケ #-

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No title

>>yoitukiさん
いつもコメントありがとうございます!

リリィ達に盗賊ギルドのクエストは合わなかったので、こういう改変をさせていただきました。

リリィはカイネスグローブの事件以降、肌の色が黒くなってきているので、SS撮影の時も光源の位置などに色々と気を使っていますw

それと、動画の件ですがもちろん大丈夫です!
設定の方もyoitukiさんのお好きなようにしてくださって構いませんよ。
私も後ほど拝見させて頂きますε===(っ≧ω≦)っ

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Sun
2015.08.02
13:07

ベルルスコーニ #-

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No title

更新お疲れ様です
「まだ信用できる」という台詞が若干怖いですが、それを差し引いてもイヴリーンさんは美しいですねえ…
ミースケさんのキャラメイク力には脱帽です

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Sun
2015.08.02
19:14

ミースケ #-

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No title

>>ベルルスコーニさん
コメントありがとうございます!

彼女が盗賊ギルドに顔の利く理由も次回で判明すると思います。

イヴリーンはこのブログの初期に作った思い入れのあるキャラなので、そう言っていただけると嬉しいです。
ありがとうございます(*´∀`*)

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