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Julianの物語

※これはNexusにて公開中のフォロワー【Mary】に関連したキャラクターの設定となっています。
このキャラクターのフォロワー配布は行いませんので、ご了承ください。







SS1482.jpg








スカイリムにある古びた屋敷の中で、ひとつの産声があがった。
没落したカサブランカス家の当主であるハイエルフの父親と、ノルドの母親という奇妙な二人の間に生まれた彼は、【ジュリアン】と名づけられた。

ジュリアンは母親に似て整った容姿を持つ青年へと成長した。
周囲の人々の注目の的になる彼を見て、母親は大いに喜んだ。

しかし、母親は気づいていなかった。
ジュリアンが周囲の人達に対して何の感情も抱いていないことを。

彼は母親の為に”良い息子”を演じていた。
それは母親への愛情の裏返しであり、事実、ジュリアンは母親のことを何よりも大切に思っていた。


また、彼には父親譲りの魔法の素質があり、特に”召喚魔法”に対して非凡な才能を発揮していた。
父親は、ジュリアンがいずれカサブランカス家に栄華をもたらすものだと考え、彼に対して厳しい教育を行った。

ジュリアンは父親を愛してはいなかった。
むしろ、憎んですらいたのかもしれない。
過去の栄光に取り憑かれ、酒に浸りながら現実から逃げる父親を、ジュリアンは憐れんでいた。

父はよく、ワインの入ったグラスを持ちながら、玄関に飾ってある古い短刀を眺めていた。
いくつかの宝石で装飾されたそれは、カサブランカス家に残る唯一の宝だった。

ジュリアンはその短刀が嫌いだった。
彼は家名になど興味が無かったし、母親とずっと二人で暮らせればそれでいいと考えていた。





それからしばらくして、ある転機が訪れた。
ジュリアンに新しい家族が出来たのだ。

晴れた昼下がりに生まれたその女の子は、【イヴリーン】と名づけられた。
彼女は顔立ちは母親に似ていたが、耳だけはハイエルフである父親のものを受け継いでいた。
ノルドの顔にハイエルフの耳という奇妙な容姿に、父親は嫌悪感を示していた。


イヴリーンは活発な少女へと成長していった。
ジュリアンは彼女のことを母親と同じように愛していた。

自分の後を必死について来る小さな彼女を、「僕の可愛いイヴ」と呼んでいた。






イヴリーンが大きくなるにつれ、ある事実が判明した。
彼女にはハイエルフの血が流れているにも関わらず、魔法の才能が全く無かったのだ。

彼女の父親は、そんなイヴリーンに辛く当たっていた。
自分の血を受け継いでいるはずの娘に、魔法の才能が無いということを認めることが出来なかったのだ。

ジュリアンはいつも妹を庇っていたが、父親の虐待は日に日にエスカレートしていった。

そして、ある朝。
イヴリーンは家を出て行った。

ジュリアンは馬で走り去る妹の背中を見ていることしか出来なかった。





イヴリーンが出て行った日から、全てが狂い始めた。
ジュリアンの父親は、以前よりも酒に依存するようになり、一日の殆どを酒場で過ごすようになった。
そして父親は、娘の家出について自分の妻を強く非難した。

ジュリアンの母はイヴリーンを失った悲しみと、夫によるストレスで身体を壊し、ベッドに寝たきりになってしまった。
彼は献身的に母親の看病をした。

母の好きな花を花瓶に挿し、母の好きな詩を歌った。



しかし、ある朝。
彼の母親は眠るように息を引き取った。

ジュリアンはベッドの傍に座り、母の名前を呼び続けた。





辺りが闇に包まれた頃。
酩酊している彼の父親が家に帰ってきた。

調子外れの歌を歌う父親を見て、ジュリアンの何かが壊れた。


彼は玄関に飾ってある短刀を手に取り、父親の胸に深く突き刺した。
悲鳴を上げる父の口に手を押し付け、何度も何度も何度も何度も父親を刺した。

やがて、目の前に居る父親がただの血と肉の塊になった。
ジュリアンは血に塗れた短刀を床に落とすと、母の亡骸を丁重に埋葬した。


全てを失った彼は、父親だったものが横たわる屋敷に火を放った。

こうして彼はカサブランカスの名を捨て、ただのジュリアンになった。






家を捨てた後、彼は死霊術に傾倒していった。
死んだ者を蘇らせる禁じられた魔法。

スカイリム中の書物を読み、墓から遺体を掘り出しては使役する魔法を試していった。
彼の類稀な才能は、死霊術にも活かされていた。


そして、彼は答えに辿り着いた。
愛する母親と永遠を生きる方法を。

しかし、それには必要な”材料”があった。



大切な家族を失った人間



ジュリアンは、戦場の跡地や山賊に襲撃された村などを探し回った。
そして、リフト地方にある小さな村に辿り着いた。

そこは4,5軒の家が集まる小村で、つい最近無法者に襲撃されたようであった。


辺りには血と死の臭いで満たされていた。
彼は地面に横たわる死体を避けるようにして歩いた。

しばらくすると、誰かのすすり泣くような声が聞こえた。

彼が声の方向に顔を向けると、3つの死体と泣き崩れる少女が目に入った。


ジュリアンはゆっくりと少女の傍に歩み寄った。

彼の存在に気づくと、少女はジュリアンの方へ顔を上げた。
少女の目は赤くはれ上がり、頬には涙の通った跡がいくつもあった。

彼は笑みを浮かべると、膝を着いて彼女の目を見て言った。





「僕はジュリアン。君も探しているの?」









Fin

Comment - 4

Sun
2015.06.21
21:58

フカヒレ #2Qe6yhQg

URL

更新お疲れさまです

更新お疲れ様です!
みーすけさんのブログ更新いつも楽しみにしとります。

誰よりも優しい心を持っていながら死霊術使いとならざるをえなかった、ジュリアンさんのお話・・・
読んでいてとてもしんみりしてしまいました、魅力的なキャラクターだけに配布予定がないのが勿体無いですぜ~!

最後の一言が特に印象的ですね。
本来優しいはずの彼の心には、もはや少女の境遇を想う心は残っていないのか、それとも・・・
とっても想像力をかき立てられます。

次の更新も楽しみにしてます!

Edit | Reply | 
Mon
2015.06.22
10:50

ミースケ #-

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No title

>>フカヒレさん
コメントありがとうございます!

現在製作中のMaryは最初に自己紹介イベントがあるのですが、そこでこの話の後日談が語られることになります。
それを聞いていただけると、ジュリアンがなぜフォロワー化されないのかがわかるかも…。

また、最後のセリフもMaryをフォロワーにする時まで覚えて頂けると嬉しいです。

Edit | Reply | 
Mon
2015.06.22
18:27

袋 #-

URL

No title

なんとも深く静かに悲しいお話ですが…
いろいろ詳らかになるMaryさんのリリース時まで感想を控えて楽しみに待っておりますヽ(=´▽`=)ノ

Edit | Reply | 
Tue
2015.06.23
09:01

ミースケ #-

URL

No title

>>袋さん
いつもコメントありがとうございます!

Maryもこの時の出来事(家族との死別)が原因で、精神に異常をきたしてしまっているので、彼女の言動から二人の関係性やジュリアンの目的なんかを想像していただけると楽しめるかと思います。

近いうちにテストverを公開できると思いますので、よろしくお願いします!

Edit | Reply | 

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