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Draco in meam第19話「二つの顔」

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リバーウッドにある宿屋「スリーピング・ジャイアント」は、今日もミードの甘い香りと焼きたてのパンの匂いで満たされていた。
それほど広くないその建物では、数人の村人達が酒を片手に話し込んでいた。


リリィ達は宿屋の中をぐるりと見回した。
この中に角笛を持ち去って手紙を残した者が居るのだろうか。


「リリィ、あの手紙には他になんて書いてあったんだ?」
アレックはリリィに尋ねた。


「えーっと、確か”屋根裏部屋に泊まってくれ”って書いてたよ。」
リリィは服の中からしわくちゃになった手紙を取り出して確認した。


「屋根裏部屋で待ち合わせというわけか。とりあえず部屋の予約を済ませよう。」
アレックはそう言うと、店の女主人の姿を探した。


彼女はカウンターの近くを箒で掃いていたが、リリィ達の姿を見つけるとこちらへやってきた。






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「あら、リリィじゃない。それにあなたは・・・」


「アレックだ。」


「そう、アレックね。ずいぶん久しぶりじゃない。今日はどうしたの?」


「実はねデルフィン。私達、今日は屋根裏部屋に泊まりたいの。」


屋根裏部屋という言葉を聞いてデルフィンの顔が少しこわばったのをアレックは見逃さなかった。


「あら、変ね。うちに屋根裏部屋は無いのよ。」
デルフィンは申し訳無さそうに言った。


「え?本当に無いの・・・?」
リリィは困ったように言った。


「ごめんね。でも、その代わりに左にある部屋を使って頂戴。」
デルフィンはそう言うと、そそくさとその場を後にした。







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「ここがデルフィンの言っていた部屋だな。」


「でも、どうして手紙に嘘を書いたんだろう?」
リリィは首を傾げた。


「間違えて書いたのか、もしくはわざと嘘をついたのか。」
アレックは考えながら言った。


「わざと?でもどうしてそんな嘘を?」


「何か考えがあるんだろう。とりあえず、部屋に荷物を置いてこよう。」


二人は部屋に入ると、それぞれの荷物を床に下ろした。
長旅のせいでかなりの量になったその荷物を下ろしたリリィは、ふぅっと大きなため息をついた。


その時、二人の耳にドアをノックする音が聞こえた。
リリィ達の返事を待たずにドアを開けたのは意外な人物だった。


「デルフィン?どうしたの?」


リリィの問いにデルフィンは答えず、用心深げに周囲を見渡すと静かに中に入り部屋のドアを閉めた。
デルフィンはリリィとアレックの顔を交互に見た後、険しい顔で言った。


「まさか、あなたがドラゴンボーンだったなんてね。」


「え?どうしてデルフィンが知っているの?」


「なるほど、そういうことか。」
納得したようにアレックは言った。


「どういうことアレック?どうしてデルフィンがドラゴンボーンのことを知っているの?」
リリィは困惑しながらアレックの方を見た。


「角笛を持って行ったのはあんたなんだろう?」
アレックはデルフィンから目を離さず言った。


しばらくアレックの顔を見た後、デルフィンは首を縦に振った。


「そうよ、でも良く分かったわね。」
デルフィンは少し嬉しそうに言った。


「最初に会ったときから妙に感じていたんだ。あんたの佇まいは宿屋の女主人のものじゃない。動きの一つ一つが静かすぎるんだ。まるで目立つのを恐れているみたいにな。」


デルフィンは満足そうにアレックを見た。


「ちょっと何がなんだかわからないよ。どうしてデルフィンが角笛を持っていくの?」
リリィはデルフィンの方を見て首を傾げた。


「別に、この角笛が目的だったわけじゃないわ。」
そう言ってデルフィンは、服のポケットから角笛を取り出した。






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「角笛を返すわ。本当の目的はあなたよリリィ。」
デルフィンはリリィに角笛を手渡しながら言った。


「目的は・・・私?」


「どういうことか説明してもらおうか?」
デルフィンとリリィの間に割って入るようにアレックは言った。


「そう警戒しないで。詳しいことを話すから私に着いて来て。」
デルフィンはそう言うと、部屋の扉を開けて外に出て行った。






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「大丈夫、これは罠じゃないわ。私を信じて。」
デルフィンはそう言うと、奥にある部屋へと入っていった。


リリィ達も警戒しながらその後を追っていった。







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「扉を閉めてくれる?」
リリィ達が部屋に入るとデルフィンは言った。
アレックが扉を閉めると、デルフィンは部屋の片隅にある箪笥の前で何かの仕掛けを作動させた。
すると、箪笥の奥の壁が開いて中から地下へと続く階段が現れた。






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「着いて来て、こっちよ。」
デルフィンはそう言うと階段を下りていった。


リリィ達も用心しながらその後を続いて言った。
階段を下りたその先には小さな部屋があった。


真ん中には木製の机が置かれ、その上には見慣れぬ書物やスカイリムの地図が散乱している。
部屋の壁には幾つかの蝋燭が灯り、立てかけられた物々しい武器達を怪しく照らし出していた。


「宿屋の主人の部屋にしては随分物騒だな。」
壁を彩る武器に目をやりながらアレックは言った。


「ここは?」
リリィはデルフィンに聞いた。






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「この部屋のことはオーグナーも知らないわ。貴方達と話すにはこの場所しか無かったの。」


「それじゃ説明してもらおうか。あんたは一体何者だ?」



「私は・・・ブレイズよ。」
デルフィンは険しい表情で言った。






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「ブレイズ?」
リリィはその言葉を繰り返した。


「確か、かつて帝国に存在した組織で数百年前のオブリビオンの動乱で、デイドラの侵攻からタムリエルを守護した皇帝直属の親衛隊だったな。」


「ええ、その通りよ。そして先の大戦でその殆どが死んだわ。私はその生き残りってわけ。」


「デイドラの・・・侵攻・・・。」
リリィが小さな声で呟いたのをアレックは聞いた。


「それで、そのブレイズがどうしてリリィに執着するんだ?」


「彼女がドラゴンボーンだからよ。」
デルフィンはそう言うと、リリィの顔に目をやった。


「でも、ドラゴンボーンとブレイズになんの関係があるの?」


「私たちが皇帝を守護していたのは、彼の一族がドラゴンの血脈だったからよ。」


「ドラゴンの血脈?・・・つまりドラゴンボーンか。」


「ええ。私達ブレイズの本当の使命は、ドラゴンボーンと共にドラゴンの脅威と戦うことなのよ。」







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「・・・そうか。やはりファレンガーにドラゴンストーンの在り処を教えたのはあんただったんだな。」


「え?デルフィンがファレンガーに?」
リリィはアレックに聞き返した。


「俺たちがドラゴンストーンを渡しに行った時を思い出してみろ。その場にフードを被った女が居ただろう?」


「・・・あ、思い出した!もしかしてあれもデルフィンだったの?」


「そう、私よ。あなた達をずっとサポートしてきたの。」
デルフィンはそう言うと、満足そうに微笑んだ。


「あなた達は知らなくてはならない。ドラゴンの脅威はもうすぐそこまで迫っているのよ。」
デルフィンはそう言うと、机の上にある一枚の古い地図を広げた。


「この地図は?」
リリィは覗き込みながら言った。


「これはドラゴンの墓場の場所を示す地図よ。」


「ドラゴンの墓場だって?そんなものがスカイリムにあるのか?」
アレックは信じられないと言った表情でデルフィンに言った。


「彼らはどこかからやってきたわけではないの。生き返ったのよ。墓場の中からね。」
デルフィンはそう言って地図の印を指さした。


「ここは以前、丘状の墓になっていたの。でも、最近になってそれが空になっていたのよ。」


「つまり、誰かがドラゴンを復活させているということか?」


「誰かではなく、何かね。ドラゴンを生き返らせるなんて、普通の人間が出来ることじゃないわ。」
そう言いながら、デルフィンはリリィに顔を向けた。


「そこで、あなたの力が必要なのよ。私達ではドラゴンを殺すことは出来ても魂まで消滅させることが出来ないの。でもドラゴンボーンなら・・・。」






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「ドラゴンの魂を・・・消滅させられる。」


「そう、いくらドラゴンといえど”魂を消滅させれば”復活することは出来なくなるはずよ。」
デルフィンはそう言うと、地図の一箇所を指でとんとんと叩いた。


「ドラゴンの情報が入ったの。カイネスグローブの近くにあるドラゴンの墓場で、最近黒いドラゴンが目撃されたらしいわ。」


「黒いドラゴンだって?」


「それってきっとアルドゥインのことだよ!」






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「カイネスグローブまではかなり距離があるわ。急いで出発しましょう。力を貸してくれるかしら、ドラゴンボーン?」


「もちろん、急いでカイネスグローブに行こう・・・!」
リリィはそう言うと、俯きながら小さな声でまたあの名前を呟いた。


「旅の支度をするわ。少し時間を頂戴。」
デルフィンはそういうと、近くにある宝箱の中から硬い皮で作られた鎧を取り出した。









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「さぁ、行きましょう。」
デルフィンは食料や旅に必要な道具を袋につめると階段を駆け上がっていった。






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「オーグナー!少し旅に出てくるわ。お店のことを頼んだわよ。」
デルフィンはすれ違いざまにオーグナーに言った。


「あぁ、分かった。気をつけて。」
彼は振り返らずにそう言うと、カウンターの掃除を始めた。


「さぁ、行きましょう。」
デルフィンに促されてリリィ達は宿屋を後にした。






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「カイネスグローブへは私が先導するわ。長い道のりになるから覚悟してね。」
デルフィンはそう言って、足早にリバーウッドを後にした。


リリィとアレックは、はやる気持ちを抑えながらデルフィンの後を着いて行った。









次回に続く。

Comment - 2

Thu
2015.03.19
21:06

00 #-

URL

No title

ここの展開、デルフィンがまともな性格だったらすごくいいシーンなんですねw。ちなみに、このデルフィンのビジュアルは自作なんですか?それとも配布されているmodなのでしょうか?

Edit | Reply | 
Thu
2015.03.19
22:08

ミースケ #-

URL

No title

>>00さん
コメントありがとうございます。

この物語に出てくるデルフィンはゲーム上とは異なり、かなりまともな性格にしています。
新鮮で良いですよねw

それと、このデルフィンはrxkx22さんの【 Bijin Warmaidens 】というMODを使用しています。
凄くリアルなのに崩れていない造詣が素晴らしいです。

Edit | Reply | 

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