Draco in meam第18話「痕跡」

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ハイ・フロスガーを旅立って約2週間。
二人はスカイリムの北部に広がる湿地帯の中を進んでいた。


「ウステングラブはもう少しかな?」


「あぁ、あの衛兵の話だともうすぐ見えてくるはずだ。」
アレックは前方に目を凝らしながら言った。











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前日、二人はモーサルで途方に暮れていた。
ウステングラブに関する情報をほとんど掴めず、足止めされていたからだ。


「もう。どうして詳しい場所を教えてくれなかったんだろう。」
頬を膨らましながらリリィは言った。


「ウステングラブを見つけるのも、試練の一つなんだろう。しかし、名前しか分からないものを探すのは骨が折れるな。」
アレックはそう言ってため息をついた。


「なんだ、あんた達もあの遺跡に用があるのか?」
突然、近くにいた衛兵が声をかけてきた。


「私達以外にもウステングラブに行った人が居るの?」
リリィは衛兵に聞いた。




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「確か、2、3日前にフードを着た旅人が道を尋ねてきたんだ。顔は見えなかったけど、声音からすると女だったな。」
衛兵は思い出したように言った。


「俺達もそこに行きたいんだ。道を教えてくれないか?」
アレックはそう言って地図を取り出した。


「あぁ、いいとも。しかし、あんな辺鄙な所に行くなんてあんた達も物好きだな。」
衛兵は軽い調子で言いながら、アレックの手渡した地図に印をつけた。











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「ねぇ、ここがそうじゃない?」
リリィはそう言って山形に膨らんだ遺跡の上に飛び乗った。
盛り上がったその外壁の内側には、下へと降りる螺旋階段と内部へ続く扉が見えた。


「そのようだ。しかし、用心した方がいいようだぞ。」
アレックは地図をしまうと、辺りを見渡しながらそう言った。




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階段を下りたところで、一人の山賊が息絶えていた。


「見張りだったのかな?」


「多分な。背中から一撃で仕留めている。やったのはかなりの手練だろうな。」
アレックは剣に手をかけて言った。


「まだ遺跡の中に居るかもしれない。気をつけて進もう。」
二人は慎重に遺跡の中へと進んで行った。











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遺跡の中は血と死の臭いが充満していた。
辺りには山賊や死霊術師と思わしき死体がいくつも転がっていた。




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「どうやら、この遺跡にいたごろつきは全員殺されたらしいな。」
顔をしかめながらアレックは言った。


「もしかして、私達より先に来たっていうフードの女の人が?」


「まだ分からない。ただ、その女の死体が無い以上、そいつがやった可能性が高いだろうな。」


「一体誰なんだろう?」


「誰にしろ、この数の山賊を相手に勝ってるんだ。只者じゃないさ。」


リリィ達は遺跡の奥へと進んでいった。











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しばらく進むと奇妙な石が3つ並ぶ部屋に来た。
その奥には頑丈な造りの扉が道を塞いでいる。


「あの扉、どうやって開けるんだろう?」
リリィがそう言いながら進むと、近くにあった石が光りだした。


「あれ?なんで光ってるんだろう?」
リリィはその石をしげしげと眺めていた。


「リリィ、仕掛けの解き方が分かったぞ。」


「どうやるの?」


「石は生物に反応して光っている。3つの石を全部光らせることが出来れば、きっと開くはずだ。」


「よし、やってみる!」




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リリィは石の近くを走りながら扉へと走り出した。
3つの石が光りだすと、アレックの考えどおり扉がせり上がっていった。


しかし、その扉はリリィがたどり着くよりも先に音をたてて閉まった。


「ちょっと!こんなに早く閉まっちゃうと間に合わないよ。」
リリィは息を切らしながら言った。




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「グレイビアードに教えてもらったシャウトならいけるんじゃないか?」


「あ、そっか!旋風の疾走のシャウトなら間に合うかも。」
リリィはそう言うと、息を整えて集中した。




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「Wuld!!」


リリィの身体は目にも留まらぬ速さで扉に向かった。
彼女は扉が閉まる前にその先へとたどり着くことが出来た。


アレックの言うとおり、グレイビアード達はこの為にこのシャウトを教えてくれたんだろう。


「やったな、リリィ。」
少し遅れてアレックがやってきた。


「さぁ、先を急ぎましょ!」
二人はさらに奥へと進んでいった。











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その遺跡の最深部は開けた空間になっていた。
遺跡の中心部には水が溜まっており、その真ん中を橋が通っていた。


リリィ達がその橋を渡ると、水中から幾つかの仕掛けが水しぶきを上げてせり上がってきた。




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橋を渡った先には、手をかたどった彫刻があった。
かつて角笛を握っていたであろうその手には、一枚の手紙が残されていた。




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「なにこれ?」
リリィは手紙を読むなりそう言った。


その手紙にはこう書かれていた。

”角笛は預かった。リバーウッドの宿屋で会おう。あなたの友より。”


「この手紙を書いたのって・・・。」


「多分、そのフードの女だろうな。」
アレックは肩をすくめながら言った。




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「”あなたの友”に心当たりは?」


「ううん。分からない。」
リリィは首を振って答えた。


「どうやら、リバーウッドに向かうしかないようだな。」




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「せっかくここまで来たのに、またリバーウッドに戻るの?」
リリィは悲しそうに呟いた。


「面倒だが仕方ない。お前の”友”に会って、目的を確かめてやろう。」



二人はウステングラブを後にし、リバーウッドへと旅立った。






次回に続く。

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