Draco in meam第1話「目覚め」

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ハドバルは馬に揺られながら感傷に浸っていた。
目の前にはあのウルフリック・ストームクロークが居る。
彼は縄で縛られ、これから処刑場に護送されるのだ。

長く続いた内戦ももうすぐ終わりを迎える。
もう誰も血を流す必要は無くなるのだ。



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ウルフリックは他のストームクローク兵と共に荷馬車に揺られている。
この成功はテュリウス将軍あってのものだ。
彼こそがこのスカイリムに平穏をもたらすのだろう。
ハドバルは自分の上官が誇らしかった。

ヘルゲンに着き、ストームクローク軍の処刑はつつがなく進行していった。
ヘルゲンの村人も兵士も。
処刑を見守る人々の心には希望の光が灯っていた。


しかし、ウルフリックの処刑が行われることは無かった。
黒い翼が突如、ヘルゲン上空に現れたのである。



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その翼は、炎を吐いて多くの人を焼き殺した。
その翼は、風を起こして家や砦をなぎ倒した。

その翼は世界を食らうもの。


名はアルドゥイン。



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ハドバルは思った。
あれは一体何だ?

ドラゴン?馬鹿な。そんなはずは無い。
ドラゴンなんておとぎ話の中にしか居ない空想の怪物だ。

ならばあれはなんだ?
あの黒い翼は?

俺はどうしたらいい?



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ハドバルは思った。
ここは逃げるしかない。

でも何処へ?こうしてる間も仲間の悲鳴が聞こえてくる。



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「ハドバル!!逃げろ、砦の中へ!!!」
テュリウス将軍の声が聞こえる。

砦?そういえばここの砦は地下に続いているんだったか。



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ハドバルは砦に駆けた。
助かるにはここに逃げ込むしかない。



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砦の中には誰も居なかった。
「ここに逃げ込めたのは俺だけか・・・。」

ため息と共に肩の力が少し抜けた。

「グオォォォォ・・・・。」
あの怪物の咆哮が遠くで響いている。

早く逃げなければ。




「キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン」




なんだ?何か耳鳴りがする。
それにこの悪寒は一体何だ?



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ハドバルの後ろで光は爆発した。
部屋が青く照らされ、衝撃が身体を襲う。



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渦の中には”何か”がいた。
さっきまで何も無かった空間に現れた”それ”は、異様としか形容できないものであった。

衣類を身につけていないその身体を見て、おそらくそれは女性であるとわかった。
年齢はわからない。自分より若いかもしれないし、あるいは自分の祖父よりも長生きなのかもしれない。

死人のように青白いその身体には、いくつかの傷のようなものがあった。

そして・・・。



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その頭には、確かに2本の角があった。











次回に続く。

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