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Draco in meam第11話「近づく影」

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翌日、リリィ達はリバーウッドを発ち、ホワイトランへと向かっていた。


「ルーカンが喜んでくれてよかったね。」


リリィ達は昨晩ルーカンの店に立ち寄り、盗まれた金の爪を返していた。
ルーカンは二人に感謝し、お礼にゴールドを渡した。


「・・・あぁ。」
アレックはそっけなく答えた。


「大丈夫?」
心配そうにリリィが言う。


「あぁ、心配させてすまない。」


「考え事?」


「そんなもんだ。」


アレックの頭には、ブリークフォール墓地で見た光景が焼きついていた。
壁から力を吸収するリリィ。
そして、その姿に重なる少女。


その少女はドラゴンボーンだった。
そして俺は彼女と共に旅をし、あのブリークフォール墓地を訪れていた。


昨日、突然思い出した記憶。
しかし、それはいつの記憶だ?


俺はあの黒いドラゴンを追って5年前にスカイリムにやって来た時から、
ずっと一人だったはずだ。
誰かと旅をする経験なんて、リリィ以外には無かった。


おかしい。
記憶が一致していない。


アレックはあれから何度も自問自答していた。
しかし、その答えが見つかることは無かった。




SS571.jpg


「ここがドラゴンズリーチか・・・。」
辺りを見回しながらアレックは呟いた。


「来たことないの?」


「あぁ、俺はただの傭兵だからな。こんな場所には入れない。」


「そーなんだ。」


二人が何気ない会話をしていると、ファレンガーの私室から声が聞こえた。




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そこにはファレンガーの他に、フードを被った女性が居た。
顔は隠れているが、その頬には特徴的な傷跡があった。


「・・・やっぱり・・・の・・・だと思う。」
ファレンガーは机の上にある地図を指差しながら言った。


「それは興味深いわね。でも・・・はその場所を確かめなくちゃ・・・。」
女性はそう言ってファレンガーに視線を送る。


「誰か居るのかな?」
リリィはそう言って、私室へと入っていった。




Evelyn1


「ファレンガー。ドラゴンストーンを持ってきたよ!」
リリィの声に反応し、二人はリリィの方へ顔を向けた。


「おぉ、本当に見つけてきたのか!」
ファレンガーは興奮した口調でリリィに近寄った。


「はい、ドラゴンストーン!」


「これが・・・ふーむ、素晴らしい!!」
手渡された石版を見て、ファレンガーは声を上げた。


「それがドラゴンストーン?」
フードの女性がファレンガーに尋ねる。


「そうだ。君の情報どおり、ブリークフォール墓地に眠っていたらしい。」


「へぇ・・・。見つけたのはあなた達ね?」
フードの女性はそう言ってリリィ達の方を見た。


「あれ?どこかで会ったような・・・。」
リリィがそう言いかけた時、後ろから大きな声が響き渡った。




Evelyn2.jpg


「ファレンガー!!大変よ、近くでドラゴンが目撃されたわ!!!」
声の主はイリレスだった。
彼女は数人の衛兵を引き連れて、ファレンガーの私室へとやってきた。


「何!?ドラゴンだって?」


「えぇ、ここから西にある監視塔で衛兵が目撃したの。首長があなたを呼んでいるわ!」


「わかった。すぐに行く!」
ファレンガーは幾つかの書類を持って、階段を駆け上がっていった。


「あなた達もよ。」
イリレスはそう言ってリリィ達を見た。


「わかった。」
二人は声をそろえて言った。


「良かった。それじゃ、私の後に付いて来て!」
イリレスはそう言うと、奥にある階段へと向かって行った。


「行こう、リリィ。」
アレックはそう言ってイリレスの後を付いて行った。


「うん。でもあの人は・・・」
そう言ってリリィは周囲に目をやったが、フードの女性の姿は無かった。


「あれ?どこに行ったのかな・・・。」


「おーい、早く来いよ。」
階段の上でアレックが呼んでいる。


リリィは急いで階段を駆け上がって行った。




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リリィ達が着くと、一人の衛兵が首長へ報告を行っていた。
衛兵は身体を震わせ、声が上擦っている。




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「ドラゴンは西のある監視塔へ向かって来ました。とても大きくて、早かった。逃げ出せたのは幸運です・・・。」


「そうか、分かった。よく知らせてくれたな・・・。今は少し休め。」


「はい。」
衛兵はそう言って兵舎へと帰っていった。


「首長!私にドラゴン討伐の命令を!!」
一歩前へ出てイリレスは言った。
その目には強い決意が浮かんでいた。




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「イリレス。今すぐ兵を引き連れて監視塔へ向かうんだ。ドラゴンを野放しにするな。」


「はッ!!」
イリレスは敬礼すると、他の兵を引き連れてドラゴンズリーチを出て行った。


「首長、私も向かいます!」
ファレンガーは目を輝かせて言った。


「駄目だ。」


「なぜですか!?ドラゴンを見るせっかくのチャンスなのに!!」
ファレンガーは声を荒げた。


「お前は優秀な魔術師だ。失うリスクをおかしたくない。」


「・・・くッ!わかりました。」
ファレンガーはそう言って私室へと帰っていった。




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「リリィ、よく来てくれたな。」
バルグルーフはリリィ達の方へ顔を向けた。


「後ろに居るのはお前の仲間か?」


「うん、アレックだよ。」


「そうか。それならば二人に頼みたいことがある。」




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「・・・ドラゴンのことだろう?」
アレックはそう言ってバルグルーフを見た。


「そうだ。住民の避難の為に人手が不足している。二人にはイリレスと共にドラゴンを倒してきてもらいたい。」



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「わかった。私達がドラゴンを倒しに行くよ。」
リリィは思った。
もしかしたら、ヘルゲンを襲ったあの黒いドラゴンかもしれない。


あのドラゴンに対する怒りや憎しみが、リリィの身体にふつふつと沸き起こっていた。
この感情が何を意味するのか。
もう一度あの黒いドラゴンに出会えば分かるかもしれない。


「ありがとう。イリレス達は先に向かったはずだ。君達も生きて帰ってきてくれ。」
そう言うとバルグルーフはその場を後にした。




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「リリィ。」
アレックが呼び止めた。


「もしかしたら、あの黒いドラゴンかもしれない。」
神妙な顔をしてアレックは言った。


「無理はするな。生き残ることを第一に考えろ。」


「私は大丈夫だよ。ドラゴンには負けない。」


”ドラゴン”という言葉を口にするたびに、リリィは身体の芯が熱くなっていくのを感じていた。


「アレックも気をつけてね。」


「俺の心配はしなくていい。さぁ、西の監視塔へ向かおう!」


リリィ達はドラゴンズリーチを後にした。











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門の外には青空が広がっていた。
砦にいた衛兵達も、ドラゴン討伐へ向かったのか姿は無く、
辺りは静まり返っていた。


もうすぐ、ドラゴンと対峙する・・・。


はやる気持ちを抑え、二人は西の監視塔へと向かって行った。








次回に続く。




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