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Draco in meam第10話「重なる姿」

SS511.jpg


リリィ達は逃げた山賊を追って、ブリークフォール墓地の内部へと進んでいた。
辺りには多くの遺体が埋葬されていたが、幾つかの遺体には奇妙な点があった。


それらは他の遺体に比べて損傷が少なく、またそれぞれが武器を手にしていた。
武器には真新しい傷があり、それはこの武器が最近使用されたことを示していた。


「あ、見てアレック!」
リリィが声を上げた。




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「はぁ・・・はぁ・・・執念深い奴らだな・・・・・・ん?」
山賊が”それ”に気づいた時にはもう遅かった。
彼は、自分が古代ノルドの墓に居ることを肝に銘じておくべきだったのだ。




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それはなんの前触れも無く起き上がった。
生気の無い目には青い光が怪しく輝いている。


ゆっくりと立ち上がると背負っている武器を手に持ち、
ためらい無く山賊に振り下ろした。


予期せぬ攻撃に山賊は為す術が無かった。
彼は人形のようにその場で崩れ落ちた。


「気をつけろ!!ドラウグルだ!!!」
アレックは声を上げながら武器を抜いた。




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「あれが・・・ドラウグル・・・!」
リリィはハドバルの言っていたことを思い出していた。


”ブリークフォール墓地にはドラウグルが眠っている”と。
リリィの目の前に居るそれは、死してなお戦いを望む古代ノルド人だった。


すごい!
でも、このままじゃ”アイツら”にやられちゃう・・・!


ドラウグルは一人ではなかった。
あちこちからうなり声が聞こえ、ゾロゾロと這い出してくる。


「気を抜くな!こいつらを倒すぞ!!」
アレックはそう言ってドラウグルの群れに突っ込んで行った。




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リリィも炎の呪文で応戦する。
武器を持っているとはいえ、相手は亡者。
不意をつかれ無ければ怖い相手ではなかった。


数体のドラウグルを倒すと、リリィ達は山賊の遺体へと近寄って行った。



SS519.jpg


「ルーカンの探していたものはこれのようだな。」
アレックは山賊の持っていた袋から何かを取り出した。


それは、黄金で出来た竜の爪だった。
アレックはその爪を自分の持っていたカバンにしまった。


「ちょっと待って、まだ何か持ってるみたいだよ。」
リリィはそう言って山賊の服の中に手を入れる。


「何これ?アーヴェルの・・・日記?」
リリィが見つけたものは古い日記のようだった。


「きっとこいつが書いたんだろう。何かの役に立つかもしれないし、リリィが持っていてくれ。」


「うん、分かった。」
リリィはそう言って自分の服の中にしまった。


「さて、残すはドラゴンストーンだな。」


「うん。多分この墓地のどこかにあるはずだよ。」


「それじゃ、先に進もうか。」


リリィ達は墓地の奥へと歩いていった。











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しばらく進むと扉がリリィ達の行く手を塞いでいた。
扉には3種類の絵が彫られており、中央には3つの穴が開いていた。


「これも仕掛けで開くのかな?」
リリィは首を傾げて言った。


「あぁ、きっとこの3種類の絵が鍵になるはずだ。」


「うーん、でもここには他にスイッチも無いみたいだよ?」
辺りを探しながらリリィは呟いた。


「そうか。さっきの山賊だ!」
アレックが急に声を上げた。


「山賊?」


「そうだ。どうして山賊はルーカンから金の爪”だけ”を盗んだんだ?」


「高そうだったから?」


「違う。本当の使い道を知っていたからだ。」


「本当の・・・使い道?」


「それがあいつらが此処に居た理由だ。」
そう言ってアレックはカバンから金の爪を取り出した。


「”これ”が鍵だ。」


「その爪が?」


「リリィ、さっきの山賊の日記を読んでみろ。きっと答えが書いてあるはずだ。」




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リリィは山賊の日記を取り出した。
ペラペラとページをめくっていくと、最後の日記が目に付いた。


『あとは物語の広間へ行き、扉を開けるだけだ。伝説によると、卑しいものを近づけぬよう、ノルドはある試練を組み込んだらしい。だが、心配ない。なぜなら、「金の爪を手にすれば、答えは手の平にある」からだ。』


「手の平?」


「これだ。」
アレックはそう言って、金の爪の手の平をリリィに見せた。
そこには扉と同じ3種類の絵が刻まれている。


「それじゃ、この絵と同じ順番に扉の絵柄を並べたら・・・。」


「扉が開く・・・はずだ。」


リリィは金の爪を見ながら、扉の絵の順番を変えていった。


「・・・何も起こらないよ?」


「いや、まだ鍵を使っていない。」
アレックは金の爪を扉の中央にある3つの穴に差し込んだ。




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ゴゴゴゴゴゴ・・・


大きな音を立てながら、扉が開いていった。


「きっとこの奥にドラゴンストーンがあるはずだ。」


「どうして?」


「こんな大掛かりな仕掛けがしてあるんだ。きっと大切なものが眠っているのさ。」


リリィ達は扉の奥へと進んでいった。




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扉の先は開けた洞窟に繋がっていた。
突然の来訪者に驚いて、蝙蝠の群れが辺りを飛んでいる。


「見て、何かあるよ!」
リリィはそう言って走り出した。




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それは大きな壁の様であった。
中央にはドラゴンを模した装飾が施され、その下に幾つもの爪あとが刻まれている。


「これがドラゴンストーンなのかな?」
リリィはその壁を見上げて言った。


「分からないな。ただ、これがドラゴンストーンだとしたらどうやって持って帰るんだ?」


アレックの問いにリリィは答えなかった。
じっと壁を見つめて佇んでいる。


「何か・・・聞こえる・・・?」
リリィはそう言って壁に近付いていった。




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その時、壁から凄まじいエネルギーがリリィへと流れ込んでいった。


「え!?ちょっとなにこれ!!?」
あまりの出来事にリリィは取り乱した。




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リリィの頭に幾千もの記憶が情報の渦となって送り込まれてくる。


「くッ!!」
リリィはただその衝撃に耐えるしかなかった。


情報はやがて一つの言葉に集約され、リリィの頭に響いていく。







「Fus」







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「うぅ・・・アレック!アレック!!」



壁からエネルギーを送られているリリィを見て、アレックは呆然としていた。
リリィの助けを呼ぶ声も彼の耳には届かなかった。


それはなぜか。




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アレックの脳裏にある色あせた映像が浮かんでいた。
それは、リリィではない別の誰か。


少女はその小さな身体で、壁から”言葉”を得ることが出来た。
それはドラゴンの声【シャウト】。


ドラゴンの知識を得ることで、”力を持つ声”を発することが出来る。
古代ノルド人の多くがこのシャウトを使うことが出来たが、今ではその存在を知るものも少ない。


シャウトを習得するには途方も無い時間と絶え間ぬ努力、それに持って生まれた素質が要る。
そして素質を持っていたとしても、一つのシャウトを習得するのに十数年はかかってしまう。


しかし、その少女は違った。
ドラゴンの言葉が刻まれた壁から”直接”知識を得ることが出来た。
少女は特別だった。


身体は人間で、魂はドラゴン。


ノルドの伝承にあるように、少女はこう呼ばれていた。




SS549.jpg


「・・・・・・ドラゴン・・・ボーン・・・。」


気がつくとアレックはそう口走っていた。
さっきまでの光景は消え失せている。


あの映像はなんだったんだ?
それに俺と一緒に居た少女は誰なんだ?


幾つもの疑問が頭に浮かんだが、
今のアレックにはその答えを見つけることが出来なかった。


「もう・・・一体なんなのよ。」
リリィはそう言ってヨロヨロとこちらへ向かってきた。


「リリィ・・・大丈夫なのか?」


「うん。なんとか・・・。それよりもどうして助けてくれなかったの!?」
リリィは怒った顔をしてアレックに詰め寄った。


「そ、それは・・・。」


そう言いかけたところで、背後から物音がした。




SS550.jpg


「グゥウルルルルル・・・。」
棺の中から、ドラウグルが姿を現した。


「アレック!後ろにドラウグルが居るよ!!」


アレックは後ろを振り向き、武器を手にしてドラウグルへと走り出した。




SS553.jpg


「Fus・・・Ro・・・Dah!!」
ドラウグルはアレックへ向けて叫んだ。


ただの言葉であるそれは、空気を震わす衝撃波となってアレックに襲い掛かる。




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「これは・・・シャウト!?」
アレックは盾を構え衝撃に備えた。




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ドォンッ!!
とてつもない衝撃を受けて、アレックは体勢を崩す。


「アレック!!」
リリィはアレックの援護の為、炎の呪文をドラウグルへと放つ。




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「グォォオオ!!!!!」
炎に焼かれながらドラウグルはうなり声を上げた。


「こいつ!今までのドラウグルより強い!!」
炎を放ちながらリリィはそう感じていた。




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「うぉおおおお!!!!!」
体勢を整えたアレックがドラウグルへと斬りかかる。




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ドラウグルは地面へと崩れ落ちた。


「はぁ・・・はぁ・・・。」
アレックは息を切らしながらリリィの方へと目をやった。


「大丈夫か?」


「うん、このドラウグル強かったね。」


「あぁ、きっと生前は力のある人物だったんだろう。」


「あれ?そのドラウグル何か持っているよ。」


リリィはドラウグルの鎧を指差した。


「これは・・・。」
アレックはドラウグルから何かの石版を取り出した。


「もしかしてそれがドラゴンストーン?」


「あぁ、多分そうだ。地図のようなものが書かれている。」


その石版には地図の様なものが描かれており、裏側にはあの壁と同じ模様が刻まれていた。




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「それで、この石版をどうするんだ?」


「ドラゴンズリーチにいるファレンガーに渡さないといけないの。」


「ということは、ホワイトランに戻らないといけないな。」


「うん。でも、さっきのあれはなんだったんだろうね。」


「さっきの?」


「壁から光がブワァーって私に流れこんで来たでしょ。」


「あぁ・・・。」


アレックは自分が見た光景を思い出していた。
あれはなんだったんだろうか?


「アレック、どうしたの?」


「ん?いや、なんでもない。大丈夫だ。」


自分でも理解できないんだ。
誰かに聞かせる話じゃない。


アレックは自分の見たことをリリィには内緒にした。


「それじゃ、ここを出ようか。」


「うん、そうだね!」


リリィ達はブリークフォール墓地を後にした。




SS564.jpg


外に出ると、すでに日は落ちていた。


「これだと今日中にホワイトランへは行けないな。」
夜空を眺めてアレックは呟く。


「今日はもうリバーウッドで泊まろうよ。」
疲れた顔をしてリリィは言った。


満点の星空の中、リリィ達はリバーウッドへと向かった。







次回に続く。

Comment - 4

Mon
2015.01.19
08:38

yoituki #-

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No title

更新お疲れ様ですヽ(´▽`)/
アーヴェルもそうですが、スカイリムを遊んでいて思ったのが、
この世界、マメに日記つけてる盗賊、山賊が多いな・・・(;・∀・)

ドレモラのドラゴンボーンとは、コレは妄想が広がりまくるっ!(゚∀゚ )
次も楽しみにしています♬

Edit | Reply | 
Mon
2015.01.19
10:17

ミースケ #-

URL

No title

>>yoitukiさん
コメントありがとうございます!

確かに、Skyrimの識字率の高さは凄いですよねw
情報伝達の手段が限られているからこそ、ちょっとした情報を書き記す習慣が人々に根付いたのかもしれませんねヾ(´∀`o)

私も色々自分設定を作りながらこの物語を書いているので、楽しんで頂ければ幸いですw

次の更新も頑張ります(*´∀`*)

Edit | Reply | 
Mon
2015.01.19
18:27

野生のノルド人 #-

URL

No title

更新お疲れ様です!

アレックさん、一体どういうことなんだ……?
謎は深まるばかりですね

そして言われて気づく識字率の高さw
きっと100%なんだろうなぁ……

Edit | Reply | 
Mon
2015.01.19
19:49

ミースケ #-

URL

No title

>>野生のノルド人さん
コメントありがとうございます!

まだ冒頭ということもあり、幾つかの伏線を張っています。
回収できるのはしばらく先ですがw

山賊も交換日記とかしてるんでしょうかw

Edit | Reply | 

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