Draco in meam第9話「爪を求めて」

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朝靄の中、リリィ達は宿屋を後にした。
ルーカンの盗まれた金の爪とドラゴンストーン。
どちらも、これから向かうブリークフォール墓地にあるはずだ。




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「確か、橋を渡って左だったよね?」


「あぁ、そうだ。」


宿を発つ前に、デルフィンに道を尋ねておいて正解だった。
二人は山道を登り、ブリークフォール墓地を目指した。











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山道を登りきると、雪景色が広がっていた。
二人の周りを粉雪が舞っている。


「ねぇ、アレック。」


「なんだ?」


「寒い。」
身体を震わせながらリリィは言った。


「あぁ、そうだな。」


「アレックのそれ、私も欲しい。」
リリィはアレックの身に着けているマントを指差した。


「駄目だ。これは一つしかないからな。」
有無を言わさずアレックは言った。


「なんでそんな服しか持っていないんだ?スカイリムで雪景色は珍しいものじゃないんだぞ。」


「服は好きじゃないの。」


「じゃあ、我慢しろ。」


「でも寒いのはもっと嫌い。」


「はぁ・・・。」
アレックはため息をついた。


まったく、わがままな奴だな。
そう言おうとした矢先、アレックの目が人影を捕らえた。


剣を抜き、臨戦態勢に入る。
その様子を見たリリィも魔法の詠唱を始めた。


人影は前方にある砦から出てきた。
汚れた髭に、ツギハギだらけの鎧。その目はぎらりと光り、周囲の獲物を探している。
明らかに山賊だ。


「リリィ、アイツが見えるか?」


「うん。」


「俺が先行する。援護は任せたぞ!」
アレックはそういうと、敵に向かって行った。


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「何だこいつら!一体どこから来やがった!?」
突然の襲撃に山賊は動転していた。


アレックはその隙を見逃さず、山賊の腹に剣を突き刺した。




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「どうやらここに居たのはこいつ一人だったようだな。」
砦の中から出てきたアレックはリリィに言った。


「砦には何人かが居た形跡はあったが、姿は見当たらなかった。」


「ねぇ、アレック。」


「なんだ?」


「コイツの服ならもらってもいい?」
そう言ってリリィは山賊のマフラーを指差した。


「あぁ、そいつにはもう必要ないだろうしな。」


「やった!」
そう言ってリリィは死体からマフラーを取ると、同じように首に巻いてみせた。




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「アレック!これ凄く暖かいよ!!」
リリィはそう言って笑っていた。


「よし、それじゃ先へ進もう。こいつが見張りだとしたら、ブリークフォール墓地はもう近いはずだ。」


リリィ達は先を急いだ。










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「わぁ!凄く大きいねー!!」
リリィは”それ”を見上げながら言った。


吹雪の中、先へ進む二人の前に現れたそれは巨大な遺跡だった。
リバーウッドからも確認できたように、近くで見るとかなり巨大な建造物であることが分かった。


「どうやらここが目的地のようだな。」
アレックはそう言って剣を抜いた。


”ブリークフォール墓地は山賊のたまり場だ!”
ルーカンの話が本当なら、慎重に行かないと・・・。


アレックが作戦を思案している中、リリィはブリークフォール墓地の階段を登っていった。



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「へへ、獲物がやってきたぞ!」
大きな斧を持った山賊が、階段をリリィ目掛けて駆け下りてきた。


「わ!?」
驚きのあまり、リリィは身動きが取れなかった。


「あの馬鹿ッ!」
アレックが盾を構えて、リリィの前に飛び出す。




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ガンッ!!!


山賊の攻撃をアレックは受け止めた。


「コイツ!なかなかやるじゃないか!!」
興奮した顔で山賊は言った。


斧を振りかぶり、渾身の力でアレックに振り下ろす。


ドンッ!
アレックは身を屈めて、山賊に体当たりをした。
そして体勢を崩し、後ろに仰け反る山賊の首を切りつける。


「あああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
絶叫とも悲鳴とも取れない声が辺りに響き渡った。




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「クソッ!!よくもやりやがったな!」
仲間の声を聞きつけて、弓を携えた山賊がこちらへやってきた。


「アレック!危ない!!」
それに気づいたリリィは、山賊目掛けて炎の魔法を放った。




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炎の熱さに悶える山賊にアレックは斬りかかった。
低い声を上げて、山賊はその場に崩れ落ちる。


「リリィ、大丈夫か?」
アレックは周囲を警戒しながら言った。


「うん、大丈夫。」


「ここは山賊のたまり場だ。気を抜いていたら殺されるぞ。」
アレックは厳しい口調でリリィに言った。


「ごめん・・・。」
しゅんとした顔でリリィは謝った。


「・・・まあいい。この辺りにはもう山賊は居ないようだ。先へ進もう。」


二人は階段を駆け上がった。



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「大きな扉だねー。」


「多分、古代ノルド人が作ったものだろうな。」


「古代ノルド?」


「あぁ、俺達ノルドの祖先のことだ。スカイリムには彼らが作った遺跡がいくつもあるんだ。」
アレックはそう言って扉を開けた。




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中はがらんと開けた場所になっていた。
天井からは光が漏れ、辺りには埃っぽい空気で満たされていた。


「ねぇ、あそこに誰か居るよ?」
リリィはそう言って、前方を指差した。




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男女の二人組みが話をしている。
風体を見るに、外に居た山賊の仲間だろうか。


「・・・どうして戻ってこないの?」


「アイツが・・・るはずが無い。」


「でも、金の爪を・・・されたら?」


距離があったので、詳しくは聞き取れなかったが気になる単語が二人の耳に入った。


「ねぇ、アレック。あの二人、今”金の爪”って言わなかった?」


「あぁ、俺もそう聞こえた。おそらくルーカンの店に入った山賊だろうな。」


「どうしようか?」


「とりあえず、あの2人を片付けよう。」


アレックとリリィはそっと山賊に忍び寄った。
影に隠れ、奇襲を行う。

山賊達に反撃する暇を与えることは無かった。




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「こいつらは持っていないようだ。」
山賊の死体を調べて、アレックは言った。


「他の仲間が持ってるのかな?」


「あぁ、多分この先にいるんだろうな。」


「じゃ、その山賊を見つけよう!」


リリィ達は遺跡の奥へと進んだ。











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階段を下りると、山賊の死体が見えた。
その傍らには仕掛けを作動するレバーがある。


「これは・・・毒だな。」
死体の近くに落ちていた矢を見てアレックは言った。


「毒?」


「おそらく、仕掛けを解かずにレバーを引くと毒矢が飛び出る仕掛けになっているんだろう。」


「仕掛けって?」


「あれだ。」
アレックはそう言って左側にある奇妙な物体を指差した。




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「なにあれ?」
リリィはそう言ってその物体に近づいた。



3つに並んだそれには何かの絵が描かれており、手前のスイッチを押すことでその石が回転する仕掛けになっていた。
ポチポチとボタンを押してみるリリィ。


「これ反応しないよー?」


「ただ押すだけじゃ駄目だ。3つの絵柄を決まった順番に並べる必要がある。」


「決まった順番?そんなのわかんないよ。」


「多分、あそこにある通りにすればいい。」




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アレックの目線の先には、3つの顔をかたどったものがあった。
その顔の口の中には、仕掛けと同じ絵柄が刻み込まれている。


「あれ、でも真ん中の顔がないよ?」


「それなら大丈夫だ。レバーの近くに落ちている。」




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真ん中の顔は、レバーの傍らにあった。
なにかの衝撃で壁から剥がれ落ちたのだろう。


「じゃ、壁の絵の通りにしてみるね。」
そう言って、リリィは仕掛けのスイッチを押していった。


「並べたよー。」
リリィの声を合図に、アレックはレバーを引いた。
少し、時間を置いて前方の鉄格子が音を立ててせり上がっていった。


「やった!」


「あぁ、これで先へ進めるな。」


「凄いね、アレック!どうしてこの仕掛けを知っていたの?」


「あぁ、それは・・・。」
そう言いかけてアレックは気づいた。





リリィの言うとおりだ。
なぜ、俺はこの仕掛けのことを知っている?
こんな遺跡、今まで来た事はなかったはずだ。


それなのに、どうして仕掛けの解き方まで分かった?
リリィに仕掛けの説明をしている時、それが正解だと確信している自分が居た。





もしかして、俺はここに来たことがあるのか・・・?





自分でも理解できない状況に、アレックは困惑していた。


「・・・ク・・・レック・・・・・・アレック!」
リリィの呼び声にアレックは我に返った。


「どうしたの?考え事?」
リリィは心配そうにアレックを見つめた。


「あぁ、大丈夫だ。先へ進もう。」


「うん。」


二人はそう言って鉄格子の先へと歩いていった。










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「誰かー!!!助けてくれーー!!!!!」
突然助けを求める声が2人の耳に届いた。


「聞こえた?」


「あぁ、誰かが助けを求めているみたいだな。」


「確か、こっちの方から聞こえたよ。」
リリィはそう言って、声のする方へと歩いていった。




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「この奥から聞こえるよ。」
リリィ達の前には幾重にも張り巡らされた蜘蛛の糸が進入を防いでいた。



「おい、そこに誰か居るのか!?頼むから助けてくれ!!!」
助けを求める声が一段と大きくなる。
リリィ達の存在に気づいたのだろう。


「嫌な予感がする・・・。」
アレックはそう言って剣に手をかけた。


リリィは蜘蛛の糸を炎で焼き払った。
部屋の中は蜘蛛の糸で覆われており、人の形をした何かがあちこちに転がっていた。


「リリィ!上だ!!!」
アレックが声を上げた。




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上空から降ってきたのは巨大なフロストバイトスパイダーだった。
通常の固体の2倍以上の多きさがあり、身体のあちこちに傷を負っていた。


「リリィ!援護を頼む!!」
アレックは盾を構えて、フロストスバイトパイダーに向かって行った。




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フロストスバイトパイダーはアレックに向かって緑色の液体を吐き出した。
アレックは身体を反ってその液体を避け、剣でその巨体を切りつける。


キシャアアア!!!!!!!


耳に突き刺さるような悲鳴をフロストバイトスパイダーは上げた。
その隙にリリィが側面から炎で攻撃する。


燃え盛る炎に焼かれたフロストバイトスパイダーは、その場で動かなくなった。




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「どうやら、炎が弱点だったようだな。」
アレックは一息ついて剣を収めた。


「あんたら、あの怪物を倒してくれたんだな!早く俺を助けてくれ!!」
蜘蛛の巣の奥から先ほどの助けを求める声が聞こえた。




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巣には男が一人捕らわれていた。


「あの蜘蛛に食われるところだったんだ!この糸を早く解いてくれ。」
身体をジタバタさせながら、男はリリィ達に言った。


「お前が盗んだものはどこにある?」
アレックは男に詰め寄った。


「な、なんの話だ!?俺は何も盗んじゃいねぇぞ!」
うろたえたように男は言った。


「リバーウッドで金の爪を盗んだでしょ。私達はそれを取り返しに来たのよ。」
リリィはぴしゃりと言った。


「お前が持っているんだろう?」
アレックは男を睨みつけて言った。


「・・・わかったよ。爪は俺が持っている。あんたらに返すよ。」
男は観念したように言った。


「じゃあ、早く返してよ。」


「この状態じゃ無理だ。先ずこの糸をなんとかしてくれないと。」


「仕方ないな。」
アレックはそう言って蜘蛛の糸を剣で切り払った。


ドサッ!
音を立てて男が地面に落ちた。
うぅ・・・と呻きながらヨロヨロと立ち上がる。


すると・・・




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「マヌケな奴らめ!!お前らに返すわけ無いだろうが!!!」
男はそう言って遺跡の奥へと走っていった。


走り去る男の背中をしばし見つめるリリィとアレック。




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「あいつ・・・絶対捕まえてやる。」


リリィとアレックは男を追って、遺跡の奥へと急いだ。




次回に続く。

Comment 8

Wed
2015.01.14
15:54

yoituki #-

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No title

更新お疲れ様です(≧∇≦)/
最初にここに来た時、蜘蛛の糸を切るつもりが う っ か り パワーアッタックしちゃってぬっころしちゃったなぁ・・・w
アレックさん、何かワケありなのですね@@
続きが愉しみです(゚∀゚)

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Wed
2015.01.14
18:29

ミースケ #-

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No title

>>yoitukiさん
コメントありがとうございます!

私も初めてPS3でプレイした時は、つい手が滑ってしまいましたねw
アレックさんは他にも色々と秘密があります・・・。

更新頑張ります(。・ω・。)ノ
良ければお付き合いください。

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Thu
2015.01.15
23:40

本田 #yiuBdmr2

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こんばんは!

初めましてミースケさんこんばんは(n。・ω・。)n!
ふら~っとSkyrim関係のBlogお散歩をしていました所こちらにお邪魔させて頂きました。

デイドラMODが出ているのは知っていたのですが、リリィさんの可愛らしさにノックアウトされ実は何度もお邪魔させて頂いておりました…(*^ω^*)☆

凄いです…!デイドラと言ったら普通は禍々しい近寄りがたい雰囲気があるはずなのに普通に隣り合って座っておにぎり食べ合えるんじゃないかと思うくらいのリリィさんにしか出せない何かを感じております…!

アレックさんとの出会いも経てますます先が楽しみでおります( ´▽`)

そしてそしてこちらの【Dig Out Your Skyrim】様をリンクさせて頂いても大丈夫でしょうか?
リンクフリーと記載あったのですが一応確認させて頂きました…!

長々とすみません。
毎日寒いので暖かくしてお過ごしくださいませ!( ´▽`)

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Thu
2015.01.15
23:57

ミースケ #-

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No title

>>本田さん
コメントありがとうございます!

そう言っていただけるととても嬉しいです(。・∀・)
リリィがあまりデイドラらしくないのも、後々判明していきますので良ければお付き合いください。

リンクの件ですが、もちろん大丈夫です。
こちらこそ、よろしくお願いします!

私の方もリンク追加させていただきますね!

Edit | Reply | 
Fri
2015.01.16
15:22

野生のノルド人 #-

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No title

更新お疲れ様です!

ここは初プレイ時に仕掛けに気づかず矢で即死した記憶があります(泣
後は金の爪を持った盗賊を走って追いかけたり……w

そのせいか、アレックさんのおかげでリリィちゃんが罠にかからずほっとしてる自分がいますw

しかし、リリィちゃんだけじゃなくアレックさんにも何か事情がありそうな様子ですね。
この後どうなっていくのか、続き待っています!

Edit | Reply | 
Fri
2015.01.16
15:45

ミースケ #-

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No title

>>野生のノルド人さん
コメントありがとうございます!

ここは、チュートリアル的な要素もあるので、
色々と勉強になるダンジョンですよね(゚∇^*)

多分12話くらいから、オリジナル要素が強くなっていくと思われますw

良ければお付き合いください!

Edit | Reply | 
Fri
2015.01.16
23:51

本田 #yiuBdmr2

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No title

こんばんは!おお…!
そうなのですね…!とても楽しみにしております…!(´ω `*)リリィさんだけでなくアレックさんにも秘密があるのですね…(。・ω・。)ドキドキ

私もここで物凄い勢いで殺してしまった事を思い出しましたwほんと手が滑ってというか殺さないようにしたつもりなのにお亡くなりに…w
この墓地をこのお二人がどんな風に切り進んでいくのかが本当に楽しみです…!

そしてリンクの件ありがとうございます!
しかもリンクして頂けるなんて本当に嬉しいです…!こちらこそどうぞ宜しくお願いします( ´▽`)☆

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Sat
2015.01.17
11:33

ミースケ #-

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No title

>>本田さん
この話を書く前に、大まかなストーリーなどは既に考えていたので、後はSSを撮って文章にしていくだけですね。


今、スカイリムを再構築しているので、次の更新は少し遅れそうです(汗)
気長にお待ちください。

こちらこそ、リンク追加ありがとうございました!
よろしくお願いします。

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