Draco in meam第7話「新たな目標」

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扉を開けると、多くの人が行き交っていた。
ホワイトランはスカイリムにおける流通の要であり、
様々な商品の売買が行われている。



「わぁ、大きな町だなー!」

活気に満ち溢れたホワイトランにリリィは興奮していた。






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「んー、美味しそうな匂い!!」
リリィは屋台の前で立ち止まった。


屋台には、焼きたてのパンや大きなチーズが丸ごと陳列されていた。




「いらっしゃい、お嬢さん。何が欲しいんだい?」
店主であるアルゴニアンの男性がリリィに言った。



大きい・・・トカゲ?
アルゴニアンを初めてみたリリィはそんなことを考えていた。



「また、後で買いに来るね!」
先ずは首長に会わないと。
リリィは誘惑に耐え、ドラゴンズリーチへと急いだ。







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階段を上ると大きな木が見えた。
しかし、どうやら既に枯れているようだった。

その向こうには高台に立てられた大きな屋敷が見える。


「あれが、ドラゴンズリーチかな。」


遠目からでも見えていたが、近くで見るとかなり巨大な建物だと分かった。
ここにホワイトランの首長がいる。

リリィは階段を駆け上がり、ドラゴンズリーチ中へと入って行った。




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建物の中も外見同様に巨大であった。
大きな柱が何本も聳え立ち、天井は頭上の遥か上にある。

前には大きな机が二つ置かれ、その間には火が焚かれていた。
ふと、耳を澄ますと何かの音が聞こえてきた。


カチャカチャというその音が、鎧がこすれる音だと気づいた時にはもう遅かった。





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リリィの目の前に剣を抜いた女兵士が立っていた。



「何をしているの?ここは民間人は立ち入り禁止のはずよ。」
そのダークエルフの女性は、厳しい口調で言った。




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「ま、待って!私はリバーウッドのアルヴォアに頼まれて、首長に会いに来たの。」
驚きながらもリリィは答えた。



「リバーウッドから?」
女兵士から少しだけ警戒が薄れた。



「ヘルゲンがドラゴンに襲われたの。それで、次はリバーウッドが狙われるかもしれないって。」




「そう・・・。分かった。バルグルーフ首長の所へ案内するわ。」
そう言って女兵士は奥へと歩いていった。




ふぅ・・・びっくりしたー。
リリィはそっと胸を撫で下ろした。






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女兵士の後を着いて行くと、玉座に座る男性が目に付いた。
頭には宝石を埋め込んだ金色の王冠を着けている。
多分あれが首長なんだろう。




「バルグルーフ首長!ドラゴンに関することで報告したいという者が来ています。」




「そうか、では話を聞こう。」
バルグルーフ首長はそう言ってリリィの方へ顔を向けた。




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「変わった見た目をしているな・・・。」
そう言ってリリィの方を見つめる。

ハドバルの言ったことを思い出し、リリィはいやな汗をかいた。



「まぁいい。お前が何者かなんて今は関係ない。
 俺はバルグルーフ。このホワイトランの首長だ。」





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「私はリリィ。リバーウッドのアルヴォアに頼まれて来たの。
 ヘルゲンを襲ったドラゴンからリバーウッドを守って欲しいって。」



「アルヴォアか・・・。確かな仕事をする実直な男だ。きっとドラゴンの事も嘘ではないのだろう。」



「リリィと言ったか。お前はヘルゲンでドラゴンを見たのか?」



「うん・・・黒くて大きなドラゴンだった。」



「そうか・・・。プロベンタス、お前はどう思う?」
バルグルーフはそう言うと、そばに居る男に顔を向けた。




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「私は反対だ!こんなどこの馬の骨とも分からない女の言うことを、真に受けてはいけない。」
プロベンタスはそう言ってリリィを一瞥した。



失礼な奴!
リリィは心の中で憤慨した。






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「首長!今すぐにでもリバーウッドへ兵を送るべきです!」
イリレスはそう言ってバルグルーフに詰め寄った。



「しかし、そんなことをしてはファルクリースに挑発だと取られてしまいかねない!」
プロベンタスも負けじと反論する。





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「もういいだろう!!」
プロベンタスの方を見てバルグルーフが一喝する。



「イリレス!今すぐリバーウッドに兵を送れ!!
 俺の砦がドラゴンに焼かれて、黙ってみてられるか・・・!」




「はッ!」
イリレスは一礼すると、兵舎へと駆けていった。





「私ももう行くよ。」
罰の悪そうな顔をして、プロベンタスは席を外した。




「ありがとうリリィ。君の果たしてくれた功績は大きい。ホワイトランを代表して礼を言う。」




「リバーウッドを守ってあげてね。」


そう言って立ち去ろうとしたリリィをバルグルーフが呼び止めた。



「そうだ、一つ君に頼みたいことがあるんだ。聞いてくれるか?」




「良いよ!どんなこと?」




「先ずは会わせたい奴がいるんだ。着いてきてくれないか?」
バルグルーフはそう言うと、リリィを連れてある部屋に入っていった。







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そこは誰かの研究室のようであった。
山積みにされた本や、見たことも無い薬が机に散乱している。
部屋の奥にはローブを着た男が立っていた。




「ファレンガー。探していた助手を連れてきたぞ。」
バルグリーフはローブの男に向かって言った。



「助手?こいつが?」
ファレンガーはそう言ってリリィの方に目をやった。



「助手って?」
リリィはバルグルーフに聞いた。



「あぁ、コイツは王宮魔術師でドラゴンの研究をしている。
 それで研究の手伝いをする助手を欲しがっていてな。」




「彼女に手伝えるとはとても思えないけどな。」
ファレンガーは不満そうに言った。



「彼女はヘルゲンでドラゴンから生き延びたんだぞ?」
バルグルーフがそう言うとファレンガーの目の色が変わった。





「なに?ドラゴンを見たのか?」




「う、うん。見たよ。」




「よし、わかった。お前に私の研究を手伝ってもらうとしよう。」
ファレンガーはそう言うと、リリィの方へ近寄ってきた。



「それじゃ、俺は行くぞ。ファレンガーの助けになってやってくれよ。」
そう言いながらバルグルーフは去っていった。




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「名前は?」




「リリィだよ。」




「そうか、リリィ。お前にはあるものを探してもらいたい。」
ファレンガーはそう切り出した。



「あるものって?」



「”ドラゴンストーン”だ。古代の石版で、ドラゴンの墓の場所が示されている。」



「ドラゴンの墓?」



「そうだ。ドラゴンは何世紀もの間、このスカイリムに姿を見せなかった。
 それが、突然ヘルゲンに現れて村を破壊した。
 これにはきっとなにか関係があるはず。それを調べる為にドラゴンストーンが必要なんだ。」



「そのドラゴンストーンは何処にあるの?」



「いい質問だ。ドラゴンストーンはブリークフォール墓地にあるらしい。」



「それってリバーウッドの近くにある大きなお墓?」



「そうだ。知っていたのか?」



「ハドバルに教えてもらったの。ドラウグルがいるから気をつけろって。」



「確かにドラウグルもいる。だが、今はそれだけじゃない。」



「どういう意味?」



「ブリークフォール墓地は山賊たちが縄張りにしているんだ。」
ファレンガーはそう言って肩をすくめた。



「情報ではかなりの大所帯らしい。お前も絶対に一人で行くんじゃないぞ。」



「それじゃあ、どうすればいいの?」



「ホワイトランには腕の立つ奴が大勢いる。きっと仲間の一人や二人すぐに見つかるさ。」



「わかった。先ずは仲間を探すよ!」



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「それとこれは餞別だ。」
ファレンガーはそう言って、リリィに呪文書を手渡した。




「わぁ!呪文書だ!!もらっても良いの!?」




「あぁ、武器を持ってない様子を見るに、お前は魔法使いだろう。
 それならこの”魔力の盾”が使いこなせるはずだ。」



「ありがとう、ファレンガー!」



「さぁ、仲間と一緒にブリークフォール墓地へ行ってくるんだ。」



「うん、行って来る!!」
リリィはそう言うとドラゴンズリーチを飛び出していった。





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辺りはすでに暗くなっていた。
頭上には満点の星空が広がっている。


今日はもう遅いし、明日一緒に行ってくれる仲間を探そう。

リリィはそう思い、宿屋へと歩いていった。







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「いらっしゃい。一晩10ゴールドだよ。」




「お金はここに入ってるよ。」
リリィはそう言って、自分の財布を宿屋の主人に手渡した。





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「・・・あんた、お金なんて一枚も入ってないじゃないか。」
女主人は呆れ顔でリリィに言った。




「え!?本当に?」
驚きのあまり大声を出すリリィ。



必死で服に手を入れて探すものの、
金貨は出てこない。

どこかに落としたんだろうか?
自分の記憶を遡っていくうちにある事実を思い出した。





「あ、そういえばリバーウッドの宿屋で全部使ったんだった。」



確かオーグナーが言ってたっけ。「代金は”ぴったり”」だったって。




「お金が無いんじゃ部屋は貸せないよ。悪いけど帰って頂戴。」
落ち込むリリィに女主人は申し訳なさそうに言った。




リリィはそっと宿屋を後にした。






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「はぁ・・・。まさかお金がこんなにも大切だったなんて。」
お金の大切さをリリィは後悔していた。


この寒空の下、眠る場所も無いなんて・・・。


どこかに眠れる場所はないかなぁ。



そんなことを考えながらふらふらと歩いていると、妙なものを見つけた





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井戸の近くに扉がある。
なんの為の扉だろうか?
リリィは意を決してその扉を開けた。


中には梯子が下へと伸びている。


もしかしてこの井戸の下に続いているのかも・・・。



リリィはその梯子を使い、下へと降りていった。












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たどり着いたのは、やはり井戸の真下だった。
しかし、井戸水は無く変わりに宝箱やベッドロールが放置されていた。


もしかして、前に誰かが住んでいたのかな?

井戸の中では、松明の火がゆらゆらと揺れていた。
妙に暖かいのはこの松明のお陰だった。




「よし、仲間が出来るまでここで寝泊りしよう!」


そうすれば寒さもしのげて、お金もかからない。
一石二鳥だった。



「じゃあ、誰も居ないしこれも脱いじゃおう。」
そう言うと、リリィは身に着けていたローブを脱いだ。





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「やっぱり、この方が落ち着くなー。」


リリィは服が好きになれなかった。
窮屈だし、何より着る必要性も感じなかった。





「そうだ、ファレンガーにもらった呪文書を読もう!」
リリィはカバンから本を取り出した。



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「・・・ほうほう。・・・・・・・・・なるほど。」

一心不乱に本を読むリリィ。
辺りに雑音はなく、静まり返っている。

リリィはこの場所に居心地の良さを感じていた。
異なる世界からやってきたリリィには、一人になれる空間が必要だった。


確かに狭くて変な臭いもするが、リリィにとってここは楽園だった。











次回に続く。

Comment 6

Thu
2015.01.08
20:32

野生のノルド人 #-

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No title

はじめまして、野生のノルド人と申します

リリィちゃんはデイドラでちょっと怖い外見なのに、中身は天真爛漫で可愛らしいタイプのようで……ギャップがステキです
またアルドゥインとも何らかの関わりがあるようで、今後の展開が楽しみです

それにしても、井戸内生活とは不憫な……w
リリィちゃん本人は気にしていないようですが、早くお金を手に入れて軟らかいベッドで寝られるようになると良いですね

追伸
リンクフリーとのことでしたので、勝手ながらリンクを貼らせていただきました
ご了承くださいませm(__)m

Edit | Reply | 
Thu
2015.01.08
21:07

ミースケ #-

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No title

>>野生のノルド人さん
コメントありがとうございます!

ギャップって良いですよね(*´□`*)
それと、リリィの子供っぽさにも実はちゃんと理由があります。
アルドゥインとも色々あるのですが、その話が出来るまで何話かかることやらw

井戸生活はリリィにとっては快適なんです。
他の人の目を気にしないで良いですからね(*´∀`)

リンク追加ありがとうございます!
こちらも追加させていただきますね(*ゝω・)b

これからよろしくお願いします!

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Fri
2015.01.09
19:28

マルマ・ジロ #-

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No title

更新ペース速いですね|ω・)ミテマスヨ
リリィさんの楽園、落ち着けるスペースはとても大事ですね(*´ω`*)

Edit | Reply | 
Fri
2015.01.09
20:55

ミースケ #-

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No title

>>マルマ・ジロさん
コメントありがとうございます!

一応頭の中で最後まで話が出来ているので、
SSさえ撮影出来れば更新できるんです(o´∀`o)
ただ、今フォロワー作成に四苦八苦しているので、
少し更新が遅れてます(汗)

一人になれる時間は大切ですからね!
駄文ですが、これからもよろしくお願いします。

Edit | Reply | 
Sat
2015.01.10
10:46

マルマ・ジロ #-

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No title

首の繋ぎ目は苦労しますよねv-390
体系は何を使ってるんですか?

Edit | Reply | 
Sat
2015.01.10
11:14

ミースケ #-

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No title

>>マルマ・ジロさん
悪戦苦闘中ですww


普段はUNPBを使っているんですが、
今作っているフォロワーはUNPにしています。


早くブログが書きたいです(´A`。)

Edit | Reply | 

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